行政書士試験には、多くのテクニックがあると言われるています。
もちろん少なからず、テクニックはあると思いますが、これまでお伝えした勉強法を繰り返していただくのが、合格への最短の道だと確信しています。
テクニックの一例として、正解率の低い肢1はマークしない。
商法は時間をかけない(時間がない場合は、検討もしない)などです。
しかし、上記は、小手先のテクニックであることは確かです。
出題者も受験者が考えることは、推測しているので、あえて肢1の正解が多い年があるかもしれません。
商法に関しては、学習時間等の効率を考えれば、学習や解答をしなくて良いという意味で(本番では、マークはしてください)、知識があるに越したことはありません。
そのため、小手先のテクニックに頼るのは、合格を不安定なものとしてしまいます。
つまり、現在の試験形式であれば、普遍的なテクニックを活用するべきなのです。
行政書士試験 解答の順番について
私が考える行政書士試験の攻略法は、問題を解答する順番を考えるということです。
行政書士試験は、
①基礎法学(五肢択一式)
②憲法(五肢択一式)
③行政法(五肢択一式)
④民法(五肢択一式)
⑤商法(五肢択一式)
⑥憲法(多肢選択式)
⑦行政法(多肢選択式)
⑧行政法(記述式)
⑨民法(記述式)
⑩一般知識(五肢択一式)
にて構成されています。
受験生により、解答の順番は異なると思いますが、私は、
⑧行政法(記述式)
⑨民法(記述式)
③行政法(五肢択一式)
④民法(五肢択一式)
⑩一般知識(五肢択一式)
⑥憲法(多肢選択式)
⑦行政法(多肢選択式)
①基礎法学(五肢択一式)
②憲法(五肢択一式)
⑤商法(五肢択一式)
の順番で解答することが合格への解答順だと考えています。
なぜ上記の順番が良いのかを解説していきます。
行政書士試験は、休憩なしの3時間です。そのため、集中力は確実に続きません。
人間の集中力は、一般的に90分が限界だと言われており、高い集中力を必要とする場合は15分程度が限界だと言われています。
例えば、同時通訳の世界では、15分毎に担当が変わりローテーションするのが一般的です。
高い知的作業を必要とする同時通訳では、集中するのは、15分が限界だと言われているのです。
繰り返しになりますが、行政書士試験は、3時間です。
試験では、同時通訳までの集中力は不要といえども、1年間の学習の結果をすべて発揮しなくてはなりません。
プレッシャーもかかりますし、物音や香水の匂いなどに悩まされるかもしれません。
多くの外的要因がある中で、3時間集中することは、そもそも不可能なのです。
そのため、集中できる最初の90分が勝負です。
つまり、最初の90分で合格点を取る気持ちで挑むことが大切になります。
行政書士試験 最初に記述式を解答する2つの理由
最初に記述式を解答するのは、理由が2つあります。
1つ目は、短時間で点数を取りやすいからです。
記述は解答がわかれば、すぐに解答でき、なおかつ最大で60点獲得できます。
180点で合格の行政書士試験で、60点を取れるチャンスが開始15分程度であるのです。
行政書士試験最大の得点源を後回しにする必要はありません。
2つ目は、わからない問題も、思い出せるチャンスがあるということです。
人間は、一度疑問に思ったことは無意識に、頭の中を検索する機能があると言われています。
つまり、試験最初にわからない問題でも、試験中に思い出せるチャンスがあるのです。
また、記述のヒントとなるような、問題が五肢択一式に出題されていたりします。
漢字がわからない場合でも、五肢択一式の出題に漢字が書かれている場合もあります。
記述で問われている知識は、過去問にも多く出題されている論点で重要部分です。
つまり、五肢択一式にも類似論点が出題されている可能性があるのです。
いきなり、記述を解答することは勇気がいることです。
3問ともわからなかった場合、精神的なダメージが大きいからです。しかし、3問全てわからない場合は、最後に解答してもわかりません。
そのため、勇気をもって記述から解答してください。
行政書士試験 記述以降の解答順
次は、③行政法(五肢択一式)を解答します。
行政法(五肢択一式)は、例年19問出題されます。
19×4点=76点の大きな配点があります。しかも、全問正解を目指すことが可能です。
過去問を十分に検討すれば、8割以上は正解を導き出せます。
というよりも、行政法は8割以上正解できるように、学習時間を割いてください。
行政書士というくらいですから、行政法の知識は最重要です。
③行政法(五肢択一式)は、得点源にできるので、頭がクリアな内に解答してください。
次に、④民法(五肢択一式)です。
こちらも、上記と同じ理論です。
全問正解を目指すことが可能で、例年9問出題なので、9×4点=36点です。
大きな配点があるので、8割以上の正解を目指してください。
次に、⑩一般知識(五肢択一式)です。
一般知識は、足切りがあるので、1年間の努力を無駄にしないためにも、早めの検討が必要です。
問題数は例年、14問ですが、時間はかかりません。
行政法や民法のように、ややこしい知識を問われているわけではないので、わかっていてもいなくてもすぐに解答できます。
悩んでわかる問題ではないので、時間を使わず、潔く次に進むことが大切です。
しかし、最後3問の文章理解は、十分に時間をとってください。
というのは、全問正解が可能だからです。行政書士試験の文章理解は難しくありません。
まして、行政書士を目指す方であれば、間違えるわけがありません。
しかし、試験は時間との戦いです。
文章理解に時間を割くということは、他の問題へ対応する時間が減るということです。
そのため、焦りから間違えてしまう方も少なくないようです。
文章理解に関しては、必ず2回以上は確認してください。
繰り返しになりますが、一般知識には足切りがあります。
焦りで間違えるなんてことは本当にもったいないです。
必ず、正解を導き出せるので、多くの時間を解答に費やしてください。
実は、この時点で合格が見えています。
記述 → 40点
行政法(五肢択一式)→ 60点(約8割正解)
民法(五肢択一式)→ 28点(約8割正解)
一般知識(五肢択一式)→ 32点(14問中8問正解)
合計が、160点になります。
つまり、行政法と民法の重点的な学習、試験での文章理解問題への集中があれば、最初の90分程度でほぼ合格点を獲得できるのです。
もちろん、⑩一般知識(五肢択一式)までに、90分を超えても構いません。
あくまで目安にしてください。
つまり、おおよそ試験の半分の時間を残して、合格が決まっているようなものなのです。
次は、⑥憲法(多肢選択式)と⑦行政法(多肢選択式)を解答します。
多肢選択式は、難しい出題はありません。
落ち着いて解答すれば、16点~20点は確実に取れます。
次は、①基礎法学(五肢択一式)です。
基礎法学は、2問出題ですが、1問は難しく1問は簡単です。そのため、1問正解できれば問題ありません。
次に②憲法(五肢択一式)です。
憲法は例年5問出題されるのですが、難しい問題も出題される傾向にあります。
順番通りに解答する受験者が多いことを出題者は知っているため、文字数が多く、時間がかかる問題を作成する傾向にあります。
残り時間が少ない場合、時間がかかりそうな問題は解かずに、見直しの時間にまわしましょう。
⑤商法(五肢択一式)商法は、すべての見直しが終わった時点で解答しましょう。
マークをしないことはもったいないので、適当で良いので必ずマーク自体は必要です。
行政法と民法さえできていれば、商法は無視しても良い存在です。
180点で合格するのも190点で合格するのも、合格であることには変わりがないからです。
いかがでしたでしょうか。
こちらの解答の順番は、とても理にかなっており、受験生の方の負担も少ない解き方です。
行政書士試験は、180点以上取れれば、必ず合格できます(一般知識は24点以上)。
つまり、重要視しない科目があったり、知らない知識があっても、重要な知識さえ知っていれば合格できます。
重要な知識というのは、民法と行政法です。
実務的には商法の知識も必要でしょう。
憲法を学び、法解釈を深く検討することも必要でしょう。
しかし、実務では、嫌でも知識を補充しなくてはなりません。
「行政書士試験合格」というスタート地点に立つためには、割り切った学習方法をとるほうが効率的なのです。
行政書士試験前の過ごし方について
少し、余談ですが、試験当日に、試験開始のずいぶん前に到着し復習をしている人がいます。
これは、絶対に行わないでください。
これから3時間もの長丁場を戦うのに、頭を消費させるようなことはしてはいけません。
人間が1日に使える頭には限界があります。
また、行政書士試験は、付け焼き刃の知識では合格することはできません。
そのため、試験本番前に学習しても意味がありません。
試験モードの頭にするために、1~2問程度解くのは良いと思います。
しかし、あくまでウォーミングアップとして、考えてください。
試験会場に到着すると、多くの予備校が最終チェックの用紙を配布しています。
興味があれば、もらっても良いと思いますが、かさばりますし、最終チェック用紙の問題から出題されることは、ほぼありません。
あったとしても微々たるものです。
そのため、試験当日は、周りに惑わされることなく、リラックスして、余計な頭の消費はしないように心がけてください。
| クレアール | 「特徴」 クレアールは、教材のボリュームに比べて割安の費用で受講できます。また、「合格返金制度」「受験料負担制度」「合格お祝い金」「学費ローン無金利」の各種割引制度が充実しており、上記の割引制度を活用することで(1年目で合格)、教材の負担費用をほぼ0円に近づけることが可能です。 「主な受講ツール」 web(オンライン) 「費用」 30,000円台〜 |
| フォーサイト | 「特徴」 クレアールと並んで、費用を抑えて学習できる教材です。フォーサイト最大の特徴は、テキストがフルカラーであることや行政書士試験を目指す心構え、当日の持ち物表、マークシート用筆記用具など、初学者に優しいツールが多く用意されている点にあります。法初学者の方であれば、最もお勧めの教材です。 「主な受講ツール」 CD・DVD 「費用」 30,000円台〜 |
| アガルートアカデミー | 「特徴」 歴史の浅い企業ですが、驚異の合格率を誇ることで有名です(平成29年度は65%の受講者が合格)。積み重ねられたノウハウというよりは、優秀な講師を多数採用し、合格率につなげています。そのため、教材費用自体は安くはありませんが、合格すると「教材費全額返金」「お祝い金3万円」などのキャンペーンを行っており、本気で合格を目指す方はメリットが多い教材です。 「主な受講ツール」 web(オンライン) 「費用」 70,000円台〜 |
| 通勤講座 | 「特徴」 通勤講座は、その名の通り通勤時間を活用して、行政書士試験合格を目指す教材です。通勤時間での学習をメインにカリキュラムが組まれているため、テキストや講義はすべてオンライン上で共有され、紙媒体の教材はありません。斬新な教材として、これまで「週末起業家大賞」や「ベストベンチャー100」にも選ばれ、効率的な学習を目指す方に人気の教材です。 「主な受講ツール」 web(オンライン・テキストも) 「費用」 30,000円台〜 |
| 東京法経学院 | 「特徴」 1961年に設立された東京法経学院は、通信だけでなく通学プランもあり、歴史と安心を感じられる企業です。また、唯一受験六法を発行できる資格企業でもあり、法改正や判例等、最新の情報をキャッチできることが最大の魅力です。行政書士試験は、一般知識を含め、最新知識を求められることが多いため、東京法経学院を受講することで強力な後ろ盾を得ることができます。 「主な受講ツール」 通学・DVD・web(オンライン) 「費用」 40,000円台〜 |
| 資格スクエア | 「特徴」 資格スクエアは、講義を聞きながらパソコンでテキストに直接書き込みを行うことができ、わからないことがあればすぐに質問することができます。そのため、インプットとアウトプットを同時に並行して行うことが可能であり、また、問題集では脳科学に基づいたアルゴリズムに基づいた出題を行うなど、他の教材とは一線を画くカリキュラムを提供しています。 「主な受講ツール」 web(オンライン) 「費用」 60,000円台〜 |
| 伊藤塾 | 「特徴」 伊藤塾は、業界では有名な伊藤真先生(東京大学法学部・弁護士)が設立された企業です。教材費は決して安くありませんが、司法試験、司法書士、行政書士等のメインの法律資格のみに絞り、教材を提供することにより、高いクオリティを維持しています。伊藤真先生は、「人は実現不可能な夢を思い描くことはない。」という言葉をモットーに、法律資格取得支援業界を牽引しています。 「主な受講ツール」 通学・web(オンライン) 「費用」 180,000円台〜 |


